・円柱状の砂糖菓子による窒息

年齢 2歳2か月 男 体重12㎏

傷害の種類:窒息  原因対象物:円柱状の砂糖菓子(直径6~7mm、長さ53mm)

発生場所:自宅 発生時刻 午後8時10分ごろ

家族で夕食をとり、入浴後、本児にたばこ状の円柱の砂糖菓子を与えた。本児ははしゃいで居宅内を走り回っていた。父母のいた台所から、祖父母のいた居間へと走りこんだ際に様子がおかしくなり、祖父母が「何か喉に詰めたようだ」と声をあげた。父母が近寄ると本児が苦しがっていた。窒息したと考えた母が口の中に手を入れると、喉の奥のほうで折れた棒状のものの端に指先が触れた。母はそれがたばこ状の砂糖菓子ではないかと考え、取り除こうとしたがうまくいかず、そのうちに指先に触れなくなった。続けて、掃除機で吸い出そうと試みたが、うまくいかなかった。そのうちに顔色が紫色になりぐったりしたため、119番通報した。父が消防指令課の口頭指導を受け、祖父が胸骨圧迫を行ったが状況は変わらなかった。

救急隊が接触した時の初期波形は心静止であり、心肺蘇生を継続した。換気抵抗があり、咽頭展開を試みたが遺物は視認できなかった。近医で気管挿管を行い、換気良好となり、その後自己心拍再開したが、救急隊による心静止確認から52分が経過していた

病院搬送後気道、呼吸の状態は維持されていたが、ショック状態で意識は昏睡グラスゴー尺度3、瞳孔散大、対光反射消失、自発運動なしの状態であった。種々の治療に反応なく入院3日目に死亡した。

子供の生活環境改善委員会からのコメント(一部)

本例は実際に窒息を起こした製品が目視されたわけだはないが、状況から本製品が原因となった可能性は極めて高い、本製品の長さは53mmで、このままの長さで飲み込むことは難しいが、折れた製品であれば誤嚥することは充分に可能である。また同年代の子の気道の気管から声門までの最少径を調べたところ、中央値は5.8mm(4.4~6.7mm)であった。本製品(6mm)であれば、窒息を起こすことは充分可能であったと考えられる。

過去に鉛筆のキャップで同様の誤嚥、その結果の窒息事例があり、現在では空気孔を作ることが規定されている。子供が走ったり、歩いたりしながら食べないよう、養育者が注意することは重要なことであるが、本事例のような傷害を防ぐためには。このような製品にあらかじめ通気孔を作っておくことが挙げられる。また口の中に入れるとすぐ溶けてしまう材質にする、形状を円柱状ではなく、三角柱状などにすることで気管の完全閉塞を防ぐ、などの対策も考えられる